Welcome  ◎過去ログは、この記事の下に表示されます。

   このブログは、映画 『世界はときどき美しい』 の御法川修監督と、
  女優デビューを飾った片山瞳さんの交換ブログとしてスタートしました。
  映画は、第19回 東京国際映画祭でお披露目されたのち、
  2007年3月31日に渋谷ユーロスペースで封切られました。
  以後、順次全国で公開された他、国内外13の映画祭でも上映。
  現在はDVDが発売&レンタル中です。

  日本映画バブルの渦の中で公開された、小さな小さな一本ですが、
  製作に携わった私たちにとっては、かけがえのない大切な作品です。
  振り返れば、最初は行き先の不安な船出でした。
  ゆっくり一年をかけて、思いがけないほど多くの観客に恵まれた今は、
  映画のタイトルを口にして、その響きに深く頷いてしまいます。

  このブログは、私たちの映画が歩んだ一年間の軌跡です。
  右サイドバーに整理された情報は、メモリアルアルバムのような趣き。
  劇場へ足を運んでくださった方、DVDで新たに映画と出会ってくれた方、
  これからも多くの人たちが、このブログを訪ねてくれることでしょう。
  この映画が、それぞれの暮らしの中で育まれることを祈っています。
  これからもずっとずっと。  (2008年5月21日掲載)



  News Release  ◎過去ログは、この記事の下に表示されます。

  ◆御法川修監督の最新作が2作品同時に始動!!
      sankeiwest.gif
   Irodori_Rogo-A.jpg
   出演◎吉行和子/富司純子/中尾ミエ/藤 竜也
        平岡祐太/村川絵梨/戸次重幸
   主題歌◎原 由子 「ヘブン」   配給◎ショウゲート
   脚本◎西口典子  監督◎御法川 修
   2012年秋、シネスイッチ銀座 他 全国公開
   Copyright © 2012 「人生、いろどり」 製作委員会

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   映画 『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』
   主演◎柴咲コウ/真木よう子/寺島しのぶ
   原作◎益田ミリ (幻冬舎刊)
   脚本◎田中幸子  監督◎御法川 修
   配給◎スールキートス  2013年、全国公開

   Copyright © 2012 「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」 製作委員会
   (2012年4月15日掲載)


  ◆片山瞳さんの最新作は、映画 『海燕ホテルブルー』 のヒロイン
   第60回ベルリン国際映画祭で銀熊賞 (最優秀女優賞) を受賞した
   寺島しのぶさん主演作 『キャタピラー』 など話題作を次々発表している
   鬼才若松孝二監督の最新作で、片山瞳さんがヒロインに抜擢
   直木賞作家船戸与一氏による同名小説の映画化。
   下のバナーを Click 予告編をご覧いただけます。
   (2011年10月28日掲載)
   


  ◆御法川修監督が手がけたコーポレート映像が受賞
   美容サロン用ヘア化粧品の総合メーカーとして国内トップを誇る
   (株)ミルボンの創業50周年記念映像を御法川監督が演出しました。
   片山瞳さんも特別出演されています。
   記念式典で一度限り上映される作品として完成したのですが、
   映像文化製作者連盟が主催する映像祭 「映文連アワード2010」 の
   大賞に当たる経済産業大臣賞を受賞しました。
   (2010年9月30日掲載)

   


 ◆『SOUL RED 松田優作』 (監督御法川修)
  生誕60年没後20年のメモリアルとして、
  最初で最後の公式ドキュメンタリー映画が誕生
  今なお人々の心に生き続ける男の軌跡。

  ★DVD発売中 ★ORICON TOP
  第22回 東京国際映画祭 特別招待作品
  Copyright © 2009 SOUL RED Film Partners 


◆御法川修監督が手がけたテレビCM が好評オンエア中
  映画界の豪華スタッフが顔をそろえ、贅沢な仕上がりになっています。
  是非ご覧になってください。
  (2009年3月1日掲載)

 

  スープで食べる、野菜のおいしく新しいカタチ 「ベジさめ」 新発売
  TV-CM 「モノクローム」 篇 Starring 加藤ローサ
  ★コチラを Click ムービーでご覧いただけます。
  Copyright © 2009 Acecook Co.,Ltd. All Rights Reserved.


  第49回 「消費者のためになった広告コンクール」 金賞受賞
  
  For Earth,For Life 〜 株式会社クボタ
  TV-CM 「過去と未来 (eプロジェクト地球小屋)」 篇
  ★コチラを Click ムービーでご覧いただけます。
  Copyright © 2009 Kubota Corporation. All Rights Reserved.


2008年05月21日

バーチャルな想い出のアルバム

宣伝担当です。
トップのご挨拶にある通り、
映画 『世界はときどき美しい』 が歩んだ一年間のメモリアルとして、
このブログを封印することにしました。

御法川監督も片山瞳さんも
それぞれご自分の誕生日に最後のメッセージを残し、
このブログから離れて新たなプロジェクトへ旅立たれました。

瞳さんは、待望の写真集 「私の好きな孤独」 (リトルモア刊) が発売間近
監督は、ドキュメンタリー映画 『色彩の記憶』 が2009年公開
・・・ワタクシまたもや監督とご一緒して宣伝活動に勤しみます。
皆さま、引き続き応援してくださいね。

おふたりの過去ログは、右サイドバーの 「Category」 からどうぞ。
ネット上に散らばった映画の感想をまとめた 「Heartful Review」 も是非

WEB媒体に掲載されたパブリシティ記事は、
「Report & Interview」 にまとめてあります。
同様に、公開劇場や出品映画祭の公式サイトも整理してあります。
本ブログは、バーチャルな想い出のアルバムです。

・・・というわけで、最後のお報せです。

大阪 「千里セルシーシアター」 にて、6月14日(土)から公開決定です。
何度も何度も書いてきたことですが・・・
公開から一年が経過し、DVDもリリースされた後だというのに、
こうして映画館で上映される機会が続くなんて!!

 しかもですよ
 公開期間中の別プログラムは、
 ジャック・プレヴェールが脚本を手がけた
 不朽の名作 『天井棧敷の人々』 。
 プレヴェールの詩篇から引用されたタイトルを持つ
 『世界は〜』 との素敵なカップリングじゃあないですか

コレ、たまたま偶然なんかではなく、映画館の愛情あふるる計らい。

この世に生み出された映画と、それを上映する映画館、そして観客が、
共に行動を起こし、過去から未来へとエネルギーをつないでゆく。
この全てが 「映画」 なのでしょう。

もちろん監督は行きます、大阪へ。
6月14日(土) 19:15の回上映終了後に舞台挨拶。
関西の皆さま、ぜひ劇場へ足をお運びください
監督の 「映画館をめぐる冒険」 に終わりはないのでしょうね。
posted by seka-toki at 22:11 | お知らせ

2008年05月04日

色彩の記憶

宣伝担当です。
御法川監督から喜び弾んだ連絡を受けたので、ここにお報せします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 御法川修監督によるドキュメンタリー映画 『色彩の記憶
 ゆふいん文化記録映画祭 「第1回 松川賞」 受賞
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日本の文化・記録映画史を代表する名作から新しい才能まで、
多彩で優れた映像を世に伝える 「ゆふいん文化記録映画祭」 に、
初のコンペティションとなる 「松川賞」 が創設されました。

独自の視点と美学で、日本ドキュメンタリー映画の可能性を切り拓いた
孤高の作家松川八洲雄 (まつかわ やすお) 監督。
この賞は、2006年に75歳で逝去された松川監督の偉業を讃え、
その意思を未来へ継承できる作家性の強い作品を発掘しよう
という目的を掲げています。

 ◎松川八洲雄
 1931年生まれ。東京大学文学部 (美学) 卒業。
 主な作品に、
 『鳥獣戯画』 (1966) イタリア・ベルガモ映画祭 芸術部門大賞
 『神々のふるさと 出雲神楽』 (2002) キネマ旬報 文化映画部門 第1位
 ほか、受賞多数。
 故黒木和雄監督の長編劇映画デビュー作 『とべない沈黙』 (1966) は、
 松川が自らの少年時代の体験をモチーフにシナリオ化した作品。
 著書に 『ドキュメンタリーを創る』 (人間選書刊) がある。


「ゆふいん文化記録映画祭」 は、大分県由布市で開催されます。
ゆふいんといえば、九州の軽井沢と呼ばれる国内有数の観光地。
住民主導のまちづくりで独自の活動が注目される地でもあります。
地域発信の映画祭として最も歴史ある 「湯布院映画祭」 は特に有名。
その運営に携わる方々が、文化記録映画に焦点をしぼり、
1998年から開催してきたのが 「ゆふいん文化記録映画祭」 です。

「文化記録映画」 を、単純に 「ドキュメンタリー」 と訳してよいか不安ですが、
東京に暮らす私などは、渋谷や銀座に足を向ければ必ずどこかの映画館で
ドキュメンタリーが見られる昨今です。
大ヒット中の 『いのちの食べかた』 や、話題の 『靖国 YASUKUNI』 等々。
・・・とはいえ、決して大きな商品価値が見込めないドキュメンタリーを、
国内で製作する環境は大変厳しいものだと聞きます。

そんな中、御法川監督が手がけたドキュメンタリー、『色彩の記憶』。
この作品は、三年の歳月をかけて製作が進められ、
全三章から成る長編ドキュメンタリー映画として完成しています。
今回の映画祭で上映されるのは、その内の一章。
ゆふいんの地で栄えあるお披露目を迎えた後には、劇場公開が決定

フィクションとノンフィクションの境界を行き来しながら、
映画のリアリティを探る是枝裕和監督や河瀬直美監督の作品とも重ねて、
新鋭御法川修が刻むフィルモグラフィを、是非ご覧ください

第11回ゆふいん文化・記録映画祭


 【上映日程】
 日時2008年6月1日(日) 13:30〜
 会場湯布院公民館
 ★当日は、御法川監督がシンポジウムに参加します。
posted by seka-toki at 21:47 | お知らせ

2008年04月25日

御法川監督ワークショップ@UPLINK

宣伝担当です。
『世界はときどき美しい』 の東京公開から一年が経過したことで、
このブログの更新もひと区切りついたはずでしたが、
いまも連日500以上のアクセスをいただいています。
ミクシィのDVDレヴューも現在進行形で増えており、
映画と出会ってくれる方々が、ゆっくり着実に増え続けているのだなぁ
と嬉しく感じています。

 3月29日から16日間に渡って開催された
 第22回 高崎映画祭に招かれた折も、
 二回の上映ともに満員御礼
 歓待された御法川監督も感激しておりました。
 高崎映画祭を運営する実行事務局の皆さま、
 本当にお世話になりました。

上映会場となった シネマテークたかさき も素晴らしい映画館でしたし、
地元の映画ファンひとりひとりの想いが育む劇場空間の熱気を
肌で感じられたことは、とても貴重な経験となりました。
当日のお客様の中には、はるばる金沢から駆けつけてくださった方まで!!
・・・言葉もありません。
ありがとうございました。
モギマサ日記 (映画祭事務局 代表茂木正男さんのBlog)

さて、お報せをふたつ。
ひとつめ。
6月14日(土)から、大阪千里セルシーシアターでの上映が決まりました。
昨年のちょうど6月は、大阪第七藝術劇場で公開中でした。
一年をひと巡りしての大阪アンコール上映決定です
詳細は後日改めて。

ふたつめ。
御法川監督のワークショップが開催されます。
会場は、渋谷UPLINK (アップリンク)。
映画館とライブ&イベント空間、ギャラリー、カフェを併せ持った
渋谷におけるサブカルチャー発信基地。
運営母体の代表である浅井隆さんは、
今年の第80回アカデミー外国語映画賞にノミニーされた 『モンゴル』 で
日本サイドのプロデュースを務められた方。
ロバート・メイプルソープの写真集をわいせつとした国側を相手取り、
自ら原告となって裁判に挑み、勝訴したニュースは記憶に新しいですよね。

その先鋭的な空間で行われるトーク形式のワークショプ。
開催日は、4月27日(日)。
急なお報せですが、そもそもはアップリンクが主催する
「デジタル・ムービー・ワークショップPro」 の受講者を対象にしたもの。
今回は、一般の方も参加自由。
10〜20名ほどが集まるささやかな形となる模様です。
その分、濃密な時間が約束されるのではないでしょうか。

当日のプログラムですが・・・
午前の部はスクリーニング。
まだ一般公開されていない御法川監督の秘蔵作品を鑑賞。
お昼は、UPLINK1Fのカフェレストラン Tabela (タベラ) でおいしい食事。
午後の部はカンバセーション。
映画監督を志した時の記憶や、助監督時代のエピソードなどなど、
御法川監督が熱く語り、受講者の方々と対話を繰り広げます。

ご興味おありの方は是非ご参加ください。
御法川監督からのメッセージはコチラです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ 『世界はときどき美しい』 御法川監督ワークショップ@UPLINK
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【日時】 4月27日(日) 10:15〜15:00
【会場】 アップリンク FACTORY
(JR渋谷駅から徒歩15分 / 東急本店の右側道200m先右手)
アクセスMap
posted by seka-toki at 12:44 | お知らせ

2008年04月02日

Spring has come

御法川です。
すでにカレンダーは4月。 (・・・早い
新年度新生活スタートという方も多いですよね。

『世界はときどき美しい』 は公開から丸一年が経ちました。
渋谷のユーロスペースで公開初日を迎えたのが去年の3月31日。
それから全国13の映画館と、国内外13の映画祭を廻ることができました。

ささやかな成果ではあるけれど、
拡大公開される映画が全国のスクリーンの7割を占める中、
『世界はときどき美しい』 のような 「小さな映画」 が
こうして息長く観客と出会えたことを振り返ると、
感慨深い気持ちでいっぱいになります。

小さな映画と簡単に言ってはみたものの、
こんなチャレンジングな企画に四つの企業が資金を投じ、
事業構造を整えた貴重なビジネス・プロジェクトです。
製作費を回収し、それを再分配するためのファイナンスは、
映画が公開されて一年が経つ今もなお継続中。
一本の映画が生み出されることは、本当に気が遠くなる仕事です。

短くない時間を共有したスタッフや俳優たちの顔はひとつひとつ、
ぼくの心のライブラリーの最も価値あるものとして大切にしまってあります。
配給宣伝に尽力してくれた関係各位に心から感謝するのはもちろん、
この映画をご覧になってくださった観客の方々へ
改めてお礼の気持ちを伝えたいです。

このブログも地道に継続してきた結果、
メモリアル・アルバムのような機能を整えました。
この一年のプロセスは、右サイドバーから振り返ることができます。
ネット上に散らばる情報の中で大切なものは全てリンクを張ってあります。
ぼくがまとめた資料やスクラップ・ブックの山は膨大で、
本棚がひとつ丸々埋まってしまったほどですが、
このブログにアクセスしさえすれば、すぐに大切な情報を導き出せる。

今後、劇場公開の機会が無くなっても、
DVDやオンエア、初夏からはTVオンデマンド配信もスタートします。
さまざまなメディアで、繰り返し、映画は出会いを育んでくれるでしょう。
その中から、映画の成り立ちに興味を持ってくれた方々が、
検索エンジンでこのブログを発見し、目を通してくれる。
この小さな映画が日本映画バブルの網目の中でひっそりと
・・・ いえ、確信を持って進んだ道筋を知ってくれたなら、
とてもうれしいです。

ぼくは今日、36歳の誕生日を迎えました。
まだまだ人間として小僧のハシクレなのは、かねて承知。
それでも、生きられる残り時間を映画に捧げてしまったら、
あっという間でしょう。
一本の映画に五年も携わったぼくの強い実感です。
考えるだけで、くらくらしてしまう。
すでに一生かかっても撮り切れない企画の数々を胸に秘め、
着実に 「映画」 と取り組むしかない。
一本でも多く実現できるように。
身のほどを知り、ハラをくくりました。

・・・そんな気持ちから、このブログもひと区切り。
ひとまず、この場所からはサヨナラです。
心機一転の心構え。

このブログを閉じる前に・・・
昨年暮れに招かれた 「KINOTAYO映画祭」 の記録をまとめます。
映画祭の開催国はフランス。
パリへ出かけたのは、2007年11月16日のこと。

なぜ時季外れのレポートを今になって書くかというと、
『世界はときどき美しい』 を創ることを可能にしてくれた人たちへ、
映画の巣立ちぶりを報告し、捧げたいと思ったからです。

偶然と運命が引き寄せた人たちを結びつけ、
一緒になって仕事をする機会を与えられながら、
国際映画祭に参加できたのは監督ひとり。

確かに体を運んだのは、このぼくなのだけど、
出来上がった映画は今や人格を備えたように自立して、
新たな出会いを生む旅へ勝手に歩みはじめています。
ぼくは映画のお供を、しばし務めただけ。
その気分を少しでも報告できればいいな、と・・・。

個人的な旅の記録にしか受けとめられかねないことを、
ここに記すことに思い上がった印象がないか心配なのだけど、
この映画を大切に想ってくれる人がいたら、
きっと興味を持って読んでくれると信じています。

ともかく、映画は立派に育ってくれたみたいです。

 ◎

KINOTAYO映画祭のKINOTAYOは、「金の太陽」 の読み。
日仏交流150周年記念行事の一環として催され、
07年度の開会セレモニーでは、
桃井かおりさんがプレジデントを務められました。

『あしたの私のつくり方』 (監督:市川準) や
『図鑑に載ってない虫』 (監督:三木聡)、
『ストロベリーショートケイクス』 (監督:矢崎仁司)、
『空中庭園』 (監督:豊田利晃) といった話題作と共に、
現代日本映画の一本として 『世界はときどき美しい』 は招かれ、
パリを中心に5つの劇場で上映されました。

以下、マルセイユの上映に立ち会った旅の記録です。

 南仏プロヴァンス地方の中心都市、マルセイユ。
 パリ〜マルセイユの移動は車で片道10時間の長旅。
 ずっしり重いフィルム缶を積み込んだ車は、
 夜明けのパリを発ち、到着したのは夕方。
 水揚げされた海産物の匂いが町に染み込んでいて、
 生まれ育った伊豆下田の漁港に思いをはせる。

 ホテルの部屋から眺めた黄昏の港。
 ここから地中海へと通じている。
 港を抱くように丘が広がり、町がある。
 『勝手にしやがれ』 のジャン・ポール・ベルモンドは、
 この町で自動車を盗んだことに端を発して、
 刹那の旅をスタートさせたんだった。

 上映会場となった映画館 「レ・ヴァリエテ」。
 5スクリーンを備えたシネコンながら趣をたたえた外観。
 映画館の建物に個性が感じられるのは素敵だ。
 劇場の館内ロビーには気分のいいカフェまであって、
 町の人たちが自由に出入りできる風通しのよさ。


 チケット売場に貼られた、KINOTAYO映画祭のポスター。
 その横に、本日のプログラムを告知する貼り紙が
 ・・・ セカイ ワ トキドキ ウツクシイ。
 世界はときどき美しい。
 英題は、LIFE CAN BE SO WONDERFUL 。


 チケットを求める観客達が列をなす。
 只今、18時開映の15分前。
 マルセイユで日本映画が上映されるのは稀なこと。
 黒沢明監督の名前すら認識されていない地にあって、
 柳沢厚生労働相が 「女性は生む機械」 と失言した
 ニュースは、しっかり伝わっていた。

 マルセイユでの上映は、映画祭のプログラムの中
 から4本を選出して企画されたもの。
 『世界はときどき美しい』 をプッシュしてくれたのが、
 写真のアンヌとアニエス。顔を合わせるなり LOVE
 を連発しながら映画の感想を伝えてくれた。


 この日の上映は、120席全てSOLD OUT
 上映を見守るつもりでいたぼくも席を譲り、
 通訳の小林恵さんと一緒に記念撮影。
 パリの上映時に通訳を務めてくれた錫木類さん共々、
 海外に暮らす個人の行動力と熱意が、
 日本映画を 「世界」 とつないでくれる。

 上映が終了した後に観客からの質問に答えるのは、
 国際映画祭に招かれた監督の重要な仕事。
 この日も30分の時間が用意されての質疑応答。
 タイムアウトになっても質問の挙手が続き、
 劇場ロビーのカフェに場所を移して、更に1時間以上。


海外の映画祭を巡る旅は、07年3月のマイアミからはじまって、
フィラデルフィア、バルセロナ、シンガポール、アテネ、
そしてパリへと続いてきました。

マイアミ国際映画祭での忘れがたいエピソードをひとつ。

上映後の質疑応答を終え、観客を見送っていたぼくの前に、
褐色の肌をした幼い少女が立ち止まった。
聞けば、彼女は13歳。
きゃしゃな体に伏し目がちで、年齢を答えてくれた他は黙ってしまう。
その背中を、傍らに立つお母さんがそっとつつく。
すると彼女は、ぼくと目を合せ、ゆっくり言葉を選んで話しかけてくれた。

「この映画の孤独が、私の中に染み込んでくるようだった・・・」

そう言った後、自分の言葉に照れくさそうにはにかみ、

「でもそれは嫌な感じではなくて、とても嬉しかった」

だから、「ありがとう」 と。

しーんとした眼差しだけがあった。
瞠かれた小さな瞳が小刻みに揺れているのがわかった。
そこに、ぼくが映っていた。
こんな光景を、いつかどこかで経験していたような、
宙に浮くような気分にとらわれて一瞬戸惑ったのだけど、
すぐに思い至った。
ぼくもかつて、こんな風に心細げな震える瞳をしていたことに。

ふだんは気恥ずかしくて言葉にできないような感情も、
ひとたび 「映画」 を介すれば、交換できる。

心はグラデーションになっていて、
マグマが煮えたぎるような部分から、きよらかに澄みきった部分まで
濃淡の層になっている。
ハートの重心は、その振幅の中で揺れ続けるばかり。
その複雑な 「ひとり」 を、しなやかに受けとめることができたら、
孤独であることはみじめなことではないし、
避けるべき否定的なことでもないはず。
喜びも、流す涙も、わずらわしい喜怒哀楽の変化も、
だんだんに自分という存在を準備し、作り上げていくプロセスだ。
そうして確かめられた大切なところだけを、誰かにプレゼントする。
・・・できたら、と思う。
いつか。

話は、KINOTAYO映画祭に戻ります。

観客投票による栄えある新人監督賞を受賞したのは、
『ヨコハマメリー』 の中村高寛監督。
中村さんとはマイアミ国際映画祭での時間を供にして以来、
交流を深めさせていただいている間がら。
『世界はときどき美しい』 の公開時には力強い応援を受けました。
顔を合わせる機会は少ないけれど、
ぼくの数少ない友人と呼べる大切なひとり。
彼は現在、物議をかもしているドキュメンタリー映画の
公開を実現するために尽力しているところ。
無責任な応援は逆に失礼かもしれないけど、がんばれ
負けないでください。

観客賞を受賞したのは坪川拓史監督の 『アリア』。
未だ日本未公開の作品。
一日も早くスクリーンにたどり着ける日を願っています。

そして、ぼくは・・・
映画祭や公開初日に立ち会った映画館で、
帰路につく別れの場で必ず投げかけていただいた言葉を、
心の中で反芻しています。
「次の映画を持って、また来てください

このブログへ訪れてくれた人たちへ。
ありがとうございます。
心から。

posted by seka-toki at 00:39 | 御法川修より

2008年03月22日

私の好きな孤独 〜片山瞳

宣伝担当です。
情報解禁になったので、お報せです。

松田美由紀さんが2年の歳月をかけて
片山瞳さんを撮り続けてきた写真が一冊にまとめられ、
このほど写真集として刊行されることになりました!!


  片山瞳 × 松田美由紀 写真集
  私の好きな孤独
  
   発売元 ◎ リトルモア
   定  価 ◎ ¥3,465- (税込)
   Copyright © 2008 Little more + Office saku

 現在最も期待される新人女優片山瞳を2年間にわたり密着撮影。
 不安や寂しさと向き合って生きてゆく女性の強さと美しさに迫った、
 松田美由紀、写真家としてのデビュー作。
 2008年7月1日(月)、青山ブックセンター本店&六本木店にて先行販売
 以後、順次全国書店にて発売!!


すでに美由紀さんはフォトグラファーとして、
カーエンターテインメントマガジン 「GENROQ」 (三栄書房) 誌上で、
セレブリティーカーと旬の男たちを撮り下ろす企画連載に取り組んでいます。
最新号に登場しているのは、永瀬正敏さん。 (・・・スゴイ

その美由紀さんが、 『世界はときどき美しい』 での共演を機にして
瞳さんと出会い、心酔。
プライベートなフォト・セッションからスタートしたものの、
いつしか二人のコラボレーションはグングンと熱をおびてしまい、
ついには美由紀さんの写真家デビュー作ともいえる
渾身のアートブックとして完成したのでした

瞳さんにとっても、これがファースト写真集。
リトルモアから写真集を出した女優さんたちは、
江角マキコさんや伊東美咲さん等々
あらかじめブレイクすることを運命づけられた方々ばかり。
瞳さんの未来に期待してしまいます

 
 「誰にでも見せるものじゃないから裸は繊細」
 松田美由紀 『フレンズ ポールとミシェル』 DVD発売記念
 試写会でヌード写真集を発表

 Copyright © 2008 Read Business Information Japan K.K.


TV LIFE
eiga.com
Cinema Cafe.net
シネマトゥデイ
Frill me, Thrill me!

瞳さんの過去ログは、右サイドバーの 「Category」 から
「片山瞳より」 を選択してお読みください。
インタビュー記事は、「Report & Interview」 をどうぞ
公式プロフィールは、こちら。
posted by seka-toki at 22:37 | お知らせ

2008年03月20日

第22回 高崎映画祭

宣伝担当です。
すでに前のブログで監督がお報せしてくれましたが、
今年で22回目の歴史をほこる 「高崎映画祭」。
3月29日から16日間にわたって開催される会期中、
「若手監督の現在 (いま)」 と題されたプログラムの一本として
『世界はときどき美しい』 が上映されます。

大手メジャーからインディペンデント系の配給会社まで含め、
昨年一年間に公開された日本映画は400本以上ともいわれています。
その約半数が新人監督による作品だと聞きました。
ほとんどが 「映画」 とは名ばかりで、映画館での上映はおざなり。
ビデオレンタル店の棚へ直行していくばかりの作品が量産される今、
「映画監督デビュー」 という出来事はかつての重みを失ってしまいました。
そんな現状だからこそ、若手監督の 「現在」 と 「これから」 を見据えることは、
厳しい批評性をはらんでいるように感じます。

高崎映画祭の審美眼に問われた御法川修監督・・・!!
上映されるフィルムも緊張していることでしょう。 (笑)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◎ 第22回 高崎映画祭 「若手監督の現在 (いま)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 『世界はときどき美しい』 上映
 【日時】 4月10日(木) 14:50 〜 16:00
      4月11日(金) 20:00 〜 21:10
 【会場】
シネマテークたかさき

数ある作品の中から選んでいただけたことを光栄に思うと共に、
地方の映画ファンの方々と劇場で出会える機会を与えられたことが、
なによりも嬉しいです。
高崎映画祭を運営する実行事務局の皆さま、
本当にありがとうございました。

もうひとつ、お報せです。

東映作品を中心にラインナップが組まれる
エンタテインメント・チャンネル 「東映チャンネル」。
その中で、日本映画の新作&話題作を紹介する 「シネマパラス」。
『世界はときどき美しい』 は、お正月番組としてオンエアされましたが、
好評につき再放送が決定しました


  【Timetable
  4月09日(水) 14:00 〜 15:30
  4月26日(土) 12:00 〜 13:15

posted by seka-toki at 17:19 | お知らせ

2008年03月16日

コーヒーの不思議

御法川です。
監視つきカンヅメ脚本書きも佳境に入って、
ほっと息をつけるのは近所のスターバックスに出かけるときだけ。
タンブラーを持参することを覚えてから、よく通っています。

コーヒーは不思議です。
ほんとうに。

コーヒーは、コーヒーを飲むということだけが全てでなくて、
コーヒーを飲みながら、きっと何かをしている。
というより、コーヒーを飲みながらする何かのために、
コーヒーという飲み物は必要なのかもしれない。
たとえば、話をするために。
うなずいたり、笑ったりするために。
ときには、誰かを待つために。
あるいは、何もしないということをするためにさえ。

今日のようにいい天気の日なら、
歩きながらタンブラーのフタを開けてしまう。
開けてしまったら、ついつい飲み口に唇を運んでしまう。

歩きながら、飲む。

飲みながら歩くぼくの肌に射す陽の光も道を歩む。
日陰から陽だまりへ。

風が吹きぬけて鼻先をすべってゆく。
日陰から陽だまりへ。

猫は陽の光が集まる場所を知りぬいている。
日陰から陽だまりへ。

春なんですね。

◆付記
『アヒルと鴨のコインロッカー』 (中村義洋監督) での演技が評価され、
第22回 高崎映画祭の最優秀助演男優賞を受賞した松田龍平殿!!
おめでとう。
心から。

松田龍平の存在は、
不毛な環境で量産される 「日本映画」 に抗って咲く強い花だ。

同映画祭が 『サッド ヴァケイション』 の石田えりさんに
最優秀主演女優賞を贈られたその見識にも深く共鳴します。
女優細胞を震わせる石田えりさんの凄みと美しさは、
もっともっと讃えられるべき貴重なお仕事だったはず。

ちなみに・・・
『世界はときどき美しい』 も同映画祭で上映されます。
「若手監督の現在 (いま)」 と題されたプログラムに組んでいただけたこと、
これからの励みにしたいと思います。
posted by seka-toki at 05:19 | 御法川修より

2008年03月09日

電子交差点はつづく

宣伝担当です。
大変ご無沙汰をしてしまいました。
昨年の今ごろは、公開初日を目前に控えて大わらわでした。
あれから一年が経つというのに、このブログは今も継続中。
ゆっくりとした更新ではありますが、引き続き見守ってくださいね。

DVDも、レンタル店では旧作の範ちゅうに入る時期にきていながら、
いまだ回転は好調との報せ
現在TSUTAYAでは 「GIRL’S STYLE」 コーナーに並んでいます。
これは鈴木杏さんがレコメンドしてくれたおかげ。
先日ふらりと立ち寄った渋谷のTSUTAYAでは在庫が全て貸出し中。
邦画のレンタル・ランキングでは30位前後をキープしているとのこと。
単館レイトショー作品のDVDとしては異例の健闘ぶり。
嬉しいですね。

あれよあれよとミクシィのDVDレヴューも300件を超えています。
右サイドバーの 「Links」 から飛べますので、興味のある方は是非どうぞ。

ひとつの映画を観たことから新たな感情が生まれ、
考えたり発見したことを、書く。
それをオープンな場に提出できるという、
この 「知的生活」 をポジティブに活かしていくことができたなら、
本当に素晴らしいですね。

・・・そんな希望を込めて、
ネット上で見つけた感想文をご紹介する 「電子交差点」 第6弾!!

電子交差点
続・電子交差点
電子交差点 その3
またまた電子交差点
まだまだ電子交差点

監督に薦められて読んだ梅田望夫さんの著書、
ウェブ進化論」 の影響が大なのですが、
『世界はときどき美しい』 を観てくれた方々の声を、
電子空間の網目をぬって一所に集めてみることで、
そこから浮かび上がる新たな 『世界はときどき美しい』 を
私自身が見てみたいという期待があります。

これまで同様、勝手にリンクさせていただくことをお許しください。
日付順に並べさせてもらいますね。
書いてくださった皆さま、ありがとうございます

 たとえば風に舞う木の葉のように
 Cafe' de teo'
 ダラリ。
 芸術鑑賞のきろく
 Mikakobiyoriニッキ
 MONOLOGUE
 月球儀通信
 KURIのブログ
 日っ歩 〜美味しいもの、映画、子育て...の日々〜
 青息吐息は毒混じり
 ゆるい日常。
 sakura+web-entertainment
 アンバランス通信
 ポップコーン
 日記帳
 パレード
 極私的映画のススメ
 排除する骨。
 ひとりっ子でもいいよね♪
 意味も無くなんとなく

以降は、右サイドバーの 「Heartful Review」 に随時アップしていきます。
posted by seka-toki at 16:10 | 電子交差点

2008年03月08日

シネマ夢倶楽部

御法川です。
寒さもゆるんできたように感じて薄着で出かけたら、
ひょう混じりの雨に降られてしまいました。
只今びしょ濡れの服を乾かしているところ。
この不安定な気候を通りぬけると、春なんでしょうね。
近所の遊歩道には梅が咲いています。

そんな中、いちばん嬉しかった報せ。
昨年7月に 『世界はときどき美しい』 を招いてくれた福岡アジア映画祭。
今年で開催22年目を迎える長い歴史と実績、
その運営を有志の力だけで推進してきた地道な取り組みが讃えられ、
(財)日本ファッション協会が主催する 「シネマ夢倶楽部」 において
「シネマ文化賞」 を受賞されました。

映画祭実行委員長の前田秀一郎さん、今村ミヨさん。
おめでとうございます。

映画祭の運営に尽力する有志の方々にとっては、
大きな励みと誇りになったはずです。
そして、この映画祭に招かれた多くの映画人にとっても。

あの日・・・
福岡アジア映画祭には片山瞳と一緒に招かれたのでした。
上映に立ち会ったあとは近くの宴席へ移動し、
『王の男』 のイ・ジュンイク監督らと共に乾杯。
日本語しか駆使できないぼくではありましたが、
福岡にいながらアジアの大きな十字路に立っているイメージを
くっきり強く照らし出されたひと時でした。

大きく普遍的なものと、小さくても具体的なもの。
そのふたつを絶えず共振させられたなら、
ぼくらが今生きる場所は世界の真っただ中だと知覚できるはず。

あんなに降っていた雨はもうやんでいる。
朝は地球の裏側で、
いま見えるのは、ただの当り前の夜空です。

天神経済新聞
過去ログ

◆付記
このブログにコンタクトしてくださった方々のメール、
ぼくから返信を怠ったままになっていますが、
確かに拝読しております。

映画の感想を伝えようとしてくれた皆さんの行動に、
尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。
ぼくのような、かぼそい仕事を続けるものには、
寄せられた声が心の支えになっています。

公開から一年が経とうというのに、
今も多くの人たちが 『世界はときどき美しい』 と
出会ってくれているのですね。
うれしい。
posted by seka-toki at 03:32 | 御法川修より

2008年02月14日

鈴木杏さん

御法川です。
もう一か月以上、このブログから離れていました。

このところ、明けても暮れても脚本を書き続ける日々。
書く以外の時間は、食べて寝るだけ。
井戸の底につるべを下ろして、
「映画」 という水を少しづつ汲み上げています。

いくつかの企画が並行して進んでいるものだから、
脳細胞はミラクルに伸縮を繰り返して忙しい。
それだけでじゅうぶん刺激的な毎日なのに、
映画の企画段階というのは収入から見放されるため、
暮らしのサバイバルまで強いられて、
ついついブログに向かう気力を奪われておりました。
お恥ずかしい。

そんなところに届いた一冊の女性誌。


  FRaU (フラウ)
  08年3月号
  講談社
  定価¥500-



「FRaU」 が注目するアーティストやオピニオンリーダーが、
お薦めの映画を紹介する連載 「女のスパイシーシネマ」。

 今月号に登場するのは、女優の鈴木杏さん。
 セレクトした映画から導き出された色のイメージと、
 杏さんの心象風景が語られています。
 その中に 『世界はときどき美しい』 のことが!!
 「緑 = ふと、浄化される感覚」
 というコメントを添えて紹介してくれました。

こんな風に観てもらえていたことに、強く励まされます。
歯を食いしばりながら、
なんとか自分をふるい立たせようとしている時だから
なおさら嬉しい。
鈴木杏さん、ありがとうございます。

TSUTAYA店頭の 「GIRL’S STYLE」 コーナーでも紹介されています。
そちらでも是非チェック&レンタルしてみてください!!

◆付記
市川崑監督の訃報を知りました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
ああ、星が落ちた ・・・ という
静かな悲しみがあります。
posted by seka-toki at 05:54 | 御法川修より

2008年01月07日

100人の子供たちが列車を待っている

御法川です。
お正月気分を脱して、今日から平常通り。
本格的な一年のスタートですね。

さて、ひとつご紹介を。

現在発売中の 「エスクァイア 日本版」 (08年2月号)。
巻頭特集の 「進化する、映画 × リアリティ。」 は、とても興味深い記事ばかり。
この誌面で紹介された映画を集めたイベント上映がはじまっています。

中でもお薦めなのが、『100人の子供たちが列車を待っている』。
88年にチリで製作された一時間足らずの中編ドキュメンタリー。



 監督◎イグナシオ・アグエロ
 出演◎アリシア・ベガ、チリの子供たち
 配給◎パンドラ
 1989年/チリ/カラー/58分
 Copyright © PANDORA Corp.All Rights Reserved.



ぼくの今年最初の映画は、コレに決定
上映の機会が少ない映画です。
ぼくは16年ぶりの再見。
我ながら律儀につけている映画日記をひも解くと、
ぼくは92年3月15日に京成町屋文化センターで、この映画を観ている。

この映画は、軍圧政下にあったチリの貧しい村が舞台。
暮らしを助けるために働かなくてはいけない子供たちは、
今まで一度も映画を観たことがない という。
そんな子供たちを集めて、映画教室を開く女性教師がいた。
映画を見せ、映画の歴史を教え、
子供たち自ら映画を創造する実践へと進む。

映画を学ぶ子供たちの姿があまりにも無邪気で、
眺めているコチラは手前勝手にやさしい気持ちに包まれてしまう。
でも、うっとりしている場合じゃないよ。
これは決してヤワな映画じゃないから。

人は 「映画」 がなくても十分に生きていけるかもしれない。
貧困にあえぐ現実の前ではなおさらだろう。
でも、「映画」 を手にできたことで、
人はどれだけの力を得られるのか!!

だれかに 「たかが映画じゃないか」 などと言われると、
お人好しに 「そうかもしれない」 と思ってみたりする。
けれど、どうして 「たかが」 なんて言えるだろう。
「たかが」 という言葉の使い方は気をつけておいた方がいい。
もし 「たかが」 なんて言ったら、「映画」 はなかっただろう。

「たかが自分の人生」 なんてモノ言いは、
自分を卑下するばかりでなく、
自分と関わるたいせつな人を侮辱しているのと同じ。
ぼくは怒るよ。

真摯な表情とは、この映画の子供たちのそれを言うのでしょう。
気をつけないと、あまりのまぶしさに目をつぶされますよ。

posted by seka-toki at 03:28 | 御法川修より

2008年01月04日

東映チャンネル

宣伝担当です。
新年あけましておめでとうございます。
さっそく嬉しいお報せです。
TV初放映が決定しました

東映作品を中心にラインナップが組まれる
エンタテインメント・チャンネル 「東映チャンネル」。
その中で、日本映画の新作&話題作を紹介する
「シネマパラス」 のお正月番組としてオンエアされます

仕事始めを迎える前の週末は、
ご自宅でゆっくり最後のヌクヌクをお楽しみください。
この機会にDVDやサントラ盤も
お手に取っていただけたら嬉しいです。

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 『世界はときどき美しい』 TV初放映!!
 東映チャンネル 「シネマパラス」
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  【Timetable
  1月05日(土) 20:30 〜 22:00
  1月13日(日) 08:00 〜 09:15
  1月18日(金) 23:00 〜 24:30
  1月23日(水) 21:45 〜 23:00
  1月26日(土) 13:15 〜 14:30


 ◎DVD
   世界はときどき美しい 〜 Pure Edition
   2枚組 (本篇70分+特典60分) │ ポエムカード封入
   ¥3,990- (税込)

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  ◎サントラ盤CD
    世界はときどき美しい 〜 Music Anthology
    デジパック仕様 │ ブックレット封入
    ¥2,700- (税込)

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posted by seka-toki at 09:23 | お知らせ