Welcome  ◎過去ログは、この記事の下に表示されます。

   このブログは、映画 『世界はときどき美しい』 の御法川修監督と、
  女優デビューを飾った片山瞳さんの交換ブログとしてスタートしました。
  映画は、第19回 東京国際映画祭でお披露目されたのち、
  2007年3月31日に渋谷ユーロスペースで封切られました。
  以後、順次全国で公開された他、国内外13の映画祭でも上映。
  現在はDVDが発売&レンタル中です。

  日本映画バブルの渦の中で公開された、小さな小さな一本ですが、
  製作に携わった私たちにとっては、かけがえのない大切な作品です。
  振り返れば、最初は行き先の不安な船出でした。
  ゆっくり一年をかけて、思いがけないほど多くの観客に恵まれた今は、
  映画のタイトルを口にして、その響きに深く頷いてしまいます。

  このブログは、私たちの映画が歩んだ一年間の軌跡です。
  右サイドバーに整理された情報は、メモリアルアルバムのような趣き。
  劇場へ足を運んでくださった方、DVDで新たに映画と出会ってくれた方、
  これからも多くの人たちが、このブログを訪ねてくれることでしょう。
  この映画が、それぞれの暮らしの中で育まれることを祈っています。
  これからもずっとずっと。  (2008年5月21日掲載)



  News Release  ◎過去ログは、この記事の下に表示されます。

  ◆御法川修監督の最新作が2作品同時に始動!!
      sankeiwest.gif
   Irodori_Rogo-A.jpg
   出演◎吉行和子/富司純子/中尾ミエ/藤 竜也
        平岡祐太/村川絵梨/戸次重幸
   主題歌◎原 由子 「ヘブン」   配給◎ショウゲート
   脚本◎西口典子  監督◎御法川 修
   2012年秋、シネスイッチ銀座 他 全国公開
   Copyright © 2012 「人生、いろどり」 製作委員会

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   映画 『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』
   主演◎柴咲コウ/真木よう子/寺島しのぶ
   原作◎益田ミリ (幻冬舎刊)
   脚本◎田中幸子  監督◎御法川 修
   配給◎スールキートス  2013年、全国公開

   Copyright © 2012 「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」 製作委員会
   (2012年4月15日掲載)


  ◆片山瞳さんの最新作は、映画 『海燕ホテルブルー』 のヒロイン
   第60回ベルリン国際映画祭で銀熊賞 (最優秀女優賞) を受賞した
   寺島しのぶさん主演作 『キャタピラー』 など話題作を次々発表している
   鬼才若松孝二監督の最新作で、片山瞳さんがヒロインに抜擢
   直木賞作家船戸与一氏による同名小説の映画化。
   下のバナーを Click 予告編をご覧いただけます。
   (2011年10月28日掲載)
   


  ◆御法川修監督が手がけたコーポレート映像が受賞
   美容サロン用ヘア化粧品の総合メーカーとして国内トップを誇る
   (株)ミルボンの創業50周年記念映像を御法川監督が演出しました。
   片山瞳さんも特別出演されています。
   記念式典で一度限り上映される作品として完成したのですが、
   映像文化製作者連盟が主催する映像祭 「映文連アワード2010」 の
   大賞に当たる経済産業大臣賞を受賞しました。
   (2010年9月30日掲載)

   


 ◆『SOUL RED 松田優作』 (監督御法川修)
  生誕60年没後20年のメモリアルとして、
  最初で最後の公式ドキュメンタリー映画が誕生
  今なお人々の心に生き続ける男の軌跡。

  ★DVD発売中 ★ORICON TOP
  第22回 東京国際映画祭 特別招待作品
  Copyright © 2009 SOUL RED Film Partners 


◆御法川修監督が手がけたテレビCM が好評オンエア中
  映画界の豪華スタッフが顔をそろえ、贅沢な仕上がりになっています。
  是非ご覧になってください。
  (2009年3月1日掲載)

 

  スープで食べる、野菜のおいしく新しいカタチ 「ベジさめ」 新発売
  TV-CM 「モノクローム」 篇 Starring 加藤ローサ
  ★コチラを Click ムービーでご覧いただけます。
  Copyright © 2009 Acecook Co.,Ltd. All Rights Reserved.


  第49回 「消費者のためになった広告コンクール」 金賞受賞
  
  For Earth,For Life 〜 株式会社クボタ
  TV-CM 「過去と未来 (eプロジェクト地球小屋)」 篇
  ★コチラを Click ムービーでご覧いただけます。
  Copyright © 2009 Kubota Corporation. All Rights Reserved.


2007年05月29日

なぜかキムチ大使?

片山瞳さま

御法川です。
ひとつ愉快な報告を。

某韓国エンタメ誌の編集スタッフが、
(ニンニクパワーに溢れたチャーミングな女性陣
映画を観て気に入ってくれたことから・・・
このたびワタクシ 「韓国キムチ大使」 を任命されたのです
しっかり 「韓国農水産物流通公社」 のお墨付き。

「キムチ大使」 の使命とは・・・
本場韓国産のキムチをもりもり食べ、
その味わいを広く日本に知らしめること。
ぼく、キムチ好きだし、OK。
そんな軽い気分で引き受けたのだけど、
先方の想いは不肖御法川を一人前の監督にしてやろうじゃないか!!
・・・というキャンペーンの一環なんだそう。
かなり過保護気味な母性に育まれて圧倒されています。

先日は美味しい焼肉をご馳走になりながら、
韓国焼酎 「チャミスル」 を初体験。
ストレートで乾杯を繰り返しているうちに、
カクンと身体から力がぬけ、
その後の記憶がない。

久しぶりに 「食事」 という行為が
相当のエネルギーを要するものだと思い返しました。

食べること、お酒を呑むこと、話すこと。
どれひとつとっても気がぬけない。
本来はね。
カッ込むばかりの素っ気ない食事を繰り返していると、
忘れてしまうね。
肝心なことを。

キムチ 〜 食事の連想で思い出したのは・・・
大阪鶴橋にある お好み焼き屋 「オモニ」。
モノ創りの精神を教えられた画家黒田征太郎さんに
ご馳走していただいたお店。

韓国食材店が軒を連ねる路地の一角で、
店構えは昔ながらの食堂。
なのに、店内に充満する “あの熱気” はナニゴトなんだろう
思い出すだけでワクワクしてしまうよ。
人が食欲を満たすために、胃袋になにかを納める。
そのなにかを作る側と、食する側。
相互がエネルギーを戦わせて、ついには爆発
キムチとスジ肉が山盛りの初めて見る厚さのお好み焼きを、
汗だくになってフーフー言いながら食べたんだった。

「食べる」 という、人が日々繰り返す行為を増幅させることからも、
世界の奥ゆきに触れることは可能なんだよね。

そんな風に考えていくと・・・
「キムチ大使」 の使命と 『世界はときどき美しい』 が抱えるテーマも
つながってくる。
・・・強引じゃないよね。 (笑)

いよいよ大阪公開です
posted by seka-toki at 02:37 | 御法川修より

2007年05月27日

本当に。

片山瞳さま

御法川です。
「吉祥寺バウスシアター」 の上映最終日も満員御礼となりました。
配給会社からの報告では、
「渋谷ユーロスペース」 の成績と比べても動員に落ちがなく、
好調だったとのこと。
東京での8週間のロングランは、
トータル4,000人の観客を動員した計算になります。
全国一斉公開作品なら一日で叩き出す数字だけど、
ゆっくりと時間をかけて観客と出会えたことは、
ぼくらの映画にとって幸せなことでした。
本当に。

ミニシアターの単館公開作品としては
ヒット作といっていい記録を達成しながらも、
まだ宣伝費すら回収できずにいる現状を知ると、
いかに映画が経済効率の悪いビジネスか思い知らされます。
ポジティブに思考を切り替えれば、“贅沢な仕事” だということだね。
本当に。

ショービジネスの世界にまみれると、
自分の貧しい現実を棚上げにして
¥数千万とかン十万人なんてイメージを軽く口にして悦に入ることがある。
でもそれは、愚かなことです。
丁寧に手を尽くした一本の映画を、
時間をかけて宣伝に努めたぼくらにとって、
それを受けとめてくれた観客を数字の記録でひとくくりになんてできない。
4,000人の観客が、ぼくにはある実感を伴ってイメージできます。
このことは、これから仕事に向かう上での骨になったと思います。
本当に。

観客の皆さんと、劇場のスタッフに感謝を。
心から。

今ぼくが考えているのは、大きな絵を描いてみたい、ということ。
『世界はときどき美しい』 は、絵画でいえばエッチング。
画廊の壁に飾られた小さな額に、眼を凝らしてくれることを期待し、
信じた。
次は大きなキャンバスに筆を走らせてみたい。
勇気がいるけどね。
・・・本当に。
posted by seka-toki at 23:31 | 御法川修より

2007年05月26日

終わりから始まりの間の日に

御法川修さま

片山瞳です
今日で東京最終日、舞台挨拶お疲れ様でした
長きに渡る東京上映はこれで一段落ですね
どれだけたくさんの人に観ていただいたのでしょうか?
この場で心よりの感謝を捧げたいと思います

少し寂しい気持ちもします
心の行き場がいつもあるような安心感がどこかにあったのだけど・・・
でもこれから全国へと静かで確かな歩みが始まりますね
大切に育んできた種を誰かがそっと拾い上げて育ててくれますように

さて、私も新たな歩みが始まっています
どうぞ楽しみに待っていて下さい
ここで学ばせてもらったたくさんの事をいっぱい生かしていきたい
「一瞬入魂」
魂を込めて、形にして、たくさんの人の心へ届けられるように
ひとつひとつを愛していきたい
今、ここにいる私のたっている場所で
今の私に出来ること精一杯を捧げていきたい
(そうできない時もあるけれど)
この前、すごく落ち込んでいた時期がありました
どうしようもなくて、気を紛らわせたくて、
大好きな食べ物をいっぱい買いこんで、散歩に出掛けました
足の行くままに任せて、歩いていると
ユーロスペースへと行きついてしまいました
一本映画を見て、また散歩していたら
撮影現場近くへと着いてしまいました

自分が情けないな。と思いながら、
ここで得たたくさんの喜びやたくさんの出来事の中での決意や覚悟、
未来への希望の種、いつしか心で大きく育っていた夢みたいなもの
もう一度しっかり見つめて、抱きしめたくなった

セカトキは私の中で、ふるさとのように、氏神さまのように
私のもうひとつの原点となっているんだろうと思いました

自分自身に戻るために
明日へと強く進む糧を

今、あらためてこの作品と出会えたことへの感謝と
これからもたくさんの人とこの作品が出会えますことを


◎追伸
先日、素敵なプレゼントいただきました
この場でお礼を

劇中のイラストを書かれている浅見ハナさんから
第3章 「彼女の好きな孤独」 をイメージして書いた絵を

一生宝物にしますね
ありがとうございました

第5章の優しいお兄ちゃんを演じる草野康太さんから
先日の上映前に朗読している写真を ありがとうございました

ご自身のブログでのセカトキに対する愛情と素敵な世界観、是非訪ねてください

このブログを見てくれているとご自身の写真集をプレゼントして下さった
ノモトアヤコさん
とても嬉しかったです

大切に見ています
素敵な写真集をありがとうございました
posted by seka-toki at 02:19 | 片山瞳より

2007年05月24日

終わり、はじまる

片山瞳さま

御法川です。
ぼくは取りこぼし気味の毎日。
シッチャカメッチャカで思考はバラバラ。
いろんなことが後回しになってしまって、不義理ばかり。
やらなきゃならないことは山積みなのに、
昨夜ふいに自分の映画を観たくなって、急いで吉祥寺へ。
開映5分前にバウスシアターに着いたら、なんと劇場は満席
入場制限がかかって、お帰りいただくお客様までいて恐縮。
ぼくは映画館のお掃除の手伝いをして帰ってきました。
結局、映画は観れなかったけど、うれしかった。

ビンにつめて海へ流した手紙を誰かに拾ってもらえたような気分。
映画を創っている間は、どんなに力強いスタッフが回りにいてくれても、
ひとり無人島にいる気分だったから。
無人島の波打ち際で手放したビンづめの手紙が、はるばる海を越え、
やっと誰かの手にわたり、フタを開けられた。

ひとまず明日で東京の上映は終了です。
ぼくは 『世界はときどき美しい』 という一本の映画を乗り継いで、
次なる映画に向かいます。
果てることのない追いかけっこです。

ぼくの仕事場は雑居ビルの7階。
いま目の前は、ビルの屋根に区切られた天窓のような青空。
いつもの青空だけど、さらにさらに遠くへ奥まっているのがわかります。
posted by seka-toki at 16:48 | 御法川修より

2007年05月23日

東京上映ファイナル!

宣伝担当です。
吉祥寺バウスシアターでの上映は、いよいよ今週25日(金)まで。
渋谷ユーロスペースで封切られたころは桜が満開でした。
8週間に及んだロングラン上映がつづく間に、
草木も青々と初夏を思わせる陽気となりました。
東京での上映が終わってしまうのはさびしいですが、
来月からは全国へ
まだまだ新たな観客との出会いを広げていくのでしょう。
たくさんの想いを抱えながら、
監督とプロデューサーが東京上映最終日に
感謝の舞台挨拶を行います。

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 5月25日(金) レイトショー上映後に舞台挨拶
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 【ゲスト】 御法川修 (監督) & 西健二郎 (プロデューサー)


 吉祥寺バウスシアター
 TEL 0422-22-3555
 吉祥寺中央口 (北口) 下車、
 サンロード街・西友先左側
 レイトショー / 連日21:00より上映



セレクトBOOKショップ 「百年」 では “プチ写真展” を開催中。
居心地のよい、すてきな本屋さんの壁に飾られた松田龍平さんの写真。
こちらも25日(金)で会期終了です。
詳しくはコチラをお読みください。

なお、本日 (23日) は水曜恒例のプレゼントday。
先着30名様に特製ポストカードをプレゼントさせていただきます。
posted by seka-toki at 19:14 | お知らせ

2007年05月22日

爆音の余韻

片山瞳さま

御法川です。
爆音上映にたくさんの方々が来てくれて本当によかった。 ね
ぼく自身が観たい 見せたい という上映形態を再現できたことが、
なによりうれしい。
まだ爆音の余韻に浸っています。

ぼくが伝えたかったことは、
“ささやか” なものを ささやかなまま差し出すのではなくて、
ささやかであるものに秘められた 「宇宙」 です。
世界の奥ゆき。
その奥ゆきを再現するためには、
そもそもあれだけの音量が必要だった。
もちろん映画の作り手として劇場の音量基準は承知していたから、
映画の仕上げ時に音圧を高めに整えていたんです。
小さな音の再現には特に細かく気を配った。
それなのに、思うように再生されない。
しかたないのかな・・・と、納得しようと思った時もあったけど、
まだまだやれることがある。
今回の爆音上映で、それを確信できました。

このブログでも度々書いてきたことだけど、
人の感受性というのは、
その人が “なにを” 知っていて、“なにを” 知らないかに深く影響されます。
人は 「知る」 ことで感受の幅を広げていけるんです。
味覚だって鍛えられるでしょ。
いくら高級食材だと言われても、
味わう経験をもてなければ “おいしい” と感じられないように。
高級料理と吉野家の牛丼を比べて、オレは牛丼の方が好きだ と言うのは自由。
だからといって、好き嫌い、という生理的な反応を吐き出すばかりじゃ、
世界の奥ゆきはつかめない。
おいしいものがあるなら食べてみたいし、
より美しい世界があるなら見てみたい、触れてみたい。
でしょ。

映画館の音量を上げる、たったそれだけのことが最初の一歩です。
ここからはじめられることがたくさんある。
映画を作る側と観る側。両者をつなぐ映画館。
共に真摯なエネルギーを交換していきたいです。

上映前には、あなたに詩を朗読してもらいました。
舞台挨拶のたびに引っぱり回して、
その上いきなり詩を読んでくれ、だなんて、かなり恐縮だったけど。
(ゴメンね。でも、引き受けてくれてありがとう)
でもね、ぼくらが舞台で挨拶することが劇場に集まってくださった方々にとって、
どれだけ価値を付加できているんだろう?
「舞台挨拶」 ということも、安易なお約束ごとになってやしないか。
そんなことを考えて、
あなたに詩を読んでもらおうと思いついたわけです。

「そんなもんだよ」 とか、「しかたない」 という言葉に邪魔されたくない。
今できるかぎりを尽くしたいと思っています。

さあ、とうとう 「吉祥寺バウスシアター」 での上映も25日(金)が最終日。
プロデューサーの西さんと一緒に最後の舞台挨拶です。

◆私的追伸
8週間の上映のうちに、観客の皆さんと知り合える機会にも恵まれ、
うれしく思っています。
声をかけてくださった皆さんに感謝。
心から。
  
三度も見てくれたという みつきとも さん。
いつもご夫婦で仲むつまじい。
プレゼントしていただいたプリザーブドフラワーのアレンジメント。
仕事場に飾っていますよ。

希望の仕事に就くことができたと報告してくれた坂本恵理さん。
それぞれの場所で共にがんばろうよね

手紙をくれた城間直美さん。
30歳の誕生日を迎えたころでしょうか。
おめでとう。
元気でいてくれたらうれしい。
posted by seka-toki at 14:10 | 御法川修より

2007年05月20日

御法川修さま

片山瞳です
昨日の爆音上映はとても素敵な時間でしたね
急遽、上映前に監督の書き下ろした詩の朗読を。
とても素敵な詩だったのでコチラで紹介させてください


私の生きる暮らしの営みを

一枚の地図に置きかえるとしたら、

それは、せまくて小さな一枚になるでしょう。

その行動範囲はとても限られている。

いくたびか住まいを変えたり、

旅をして見知らぬ土地を訪ねたこともあるけれど、

必ず私は自分が暮らす場所をひとつ定め、

生活を支える賃金を得るための仕事につき、

その往復に日々は溶け込んでいる。

たまに寄り道をする程度で、

私の地図は変わり映えのしないままだ。

とはいえ、

さまざまな顔とすれ違うことも含めた数多くの出会いがあり、

言葉を交わしながら表情の筋肉を隅々まで動かし、

想像を絶する量の食料を胃袋に収めてきた。

それは生まれた時からはじまって、今なお進行中。

歩いたり 走ったり 息切れしたりする一方で、

生きる時間の半分は睡眠に費やしてきた。

未知の感情が生まれるたびに、

自分の心と体の奥深さに驚き、悲しんでもきた。

そんなのろまな一歩一歩に、

感心してしまうことがある。

感心しながら、ふと笑ってしまう。

どんなにありふれて普通に見えようと、

私の想像を超える世界があることに。



この地球と呼ばれる惑星の大きさを想う時、

私はひとつの音符で、

規則正しい五線譜の上に並んでいる。

きれいに配置された時、私はワタシという存在を超えて、

ただただ美しい音楽に置きかえられる。

それは、生まれ変わる、という感じとは違って、

私自身は何も変わらない。

ちっぽけな自意識にとらわれたりせず、

できることならいつでも美しいものと同化していたい。

そう願う。

ただし、いい音色が正しい音域で絡み合うまで、

リハーサルは続くのだ。

その道のりを思うと、遠い。



昨日、私は夢をみた。

その夢は 「つづく」 と字幕が出て終わり、

今夜 私は、

そのつづきを見る。
posted by seka-toki at 14:41 | 片山瞳より

2007年05月19日

音の手ざわり

片山瞳さま

御法川です。
今日、恵比寿駅のホームに立っていたら、
目の前で松田龍平の大きな顔が凄んでいるもんだから驚いた
「サッポロ 凄味〈生〉」 のアドボード。
さすがカッコイイよね。

それはそうと、爆音上映
本日5月19日(土)、夜9時から吉祥寺バウスシアターにて。
 すでにこのブログでもインフォメーションされ
 ている通り、コンサート用PAを駆使して映画
 のサウンドを増幅させます。
 夜を徹しての音響調整も完了。
 今夜だけは一番大きなシアター 「バウス1」
 での上映となります。
正真正銘、一夜限りの “ライブ” 上映です。

いま本当にワクワクしている。
とにかく観てほしい。
『世界はときどき美しい』 を気に入ってくれた方々には特に。
(告知の期間がなかったので心配なんだ・・・)

◎このブログをご覧の皆さまへ
━━━━━━━━━━━━━━━━
“爆音” といっても、
ふだんライブハウスやクラブでラウドなサウンドに身を浸している方々には
驚くほどではないでしょう。
今回の上映の音量を耳にうるさいと感じるようなら、
それはロックンロールの洗礼を受けていない証拠。
そう強気に言えるのは、
「映画」 がいつも曖昧な制約の中に閉じ込められてきたことへの
反抗心から。

ぼくらが手を尽くしてOKを出した完成品が、
観客の目に触れる劇場では画面が暗く、
音量も抑えられてしまう。
高画質と立体音響が家庭で簡単に手に入ってしまう今、
映画館の暗闇の価値を取り戻したい。
ひとつの画面に込められた一瞬ごとの情報量を、
正しく解放してあげたい。
音の手ざわりを回復したい。

映画を作る側と、それを観る側。
相互の真摯なエネルギーの交換によって、
「映画」 と 「映画館」 の可能性は、
まだまだ広がるのです。
その実践に立ち会ってください。 是非
心から。

◆私的追伸
国民投票法が成立して、
憲法9条を変えていく動きの外堀が
埋められてしまいました。

17歳の高校生が母親を殺し、
切断した頭部をもって自首するなど、
そこらじゅうで窒息寸前のストレスが
臨界のようなものを超えつつあります。

できごとに関連性はないけれど、
ぼくらの生きる世界は日に日に空洞化し、
人の心は荒涼としていくばかりです。
でも、斜に構えず、冷笑にまどわされず、
ぼくは太い声を上げていきたい。
映画の音響を増幅させることも、同じ気持ちから。

聞き漏らしてしまった音の一粒一粒を認識したいのです。
けっして、ノイズの中で気をまぎらわせたいのではありません。
すべてをなかったことにしてしまいたくないのです。
posted by seka-toki at 08:44 | 御法川修より

2007年05月18日

この世を旅する

御法川修さま

片山瞳です
遅ればせながら・・・おかえりなさい
「バルセロナ・アジア映画祭」 いい旅だったようでなによりです
先日のトークショーでは、またより一層に熱い情熱のほとばしる
監督の言葉やオーラに感服・・・

ちょうど監督がバルセロナに行っている時、
私はといえばバーチャルなバルセロナの旅をしていました (?)
偶然にもテレビをつけるとスペイン・バルセロナの芸術を巡る旅紀行を放送していて
すっかり行った気になっていた私でした (笑)
やっぱりそれでも 「私も行きたかった・・・
けれど、今度のバウスシアターでのトークショーでまた色んなお話や
監督の得てきたたくさんの 「幸福」 を
来てくださる皆さんと共に感じれたらな、と思っています

爆音上映もとても楽しみです
セカトキの美しい繊細な音が大きな音となり聞けるこの機会は
日常にあっても聞こえない音の感覚を広げてくれるような
とても大事な機会のような気がします

私達人間は自分の見たいものや聞きたいことしか
普段はキャッチしないのではないかな、と思います
どれだけ自分が閉ざしているのかを常々思い知ります
私がこんなにセカトキの世界を好きになったのは
今まで全然意識していなかった感覚を教え開いてくれたからだと思います

世界は人の数だけの多次元の世界が織り成していて
自分の世界はあまりにもちっぽけです
ちっちゃい中で悩んだり苦しんだり、一生懸命生きようとしているのだけど
そんな中でたくさんの喜びをささやかな出来事から感じ取れることは
とても幸せなことだと思います

そういう大切なことを知れたこと
「生きることを好きになる」
本当に本当に大切な経験です

爆音上映もとても大切な経験になるだろうな・・・と
今から期待をこらえている私です

私と一緒にトークショーをすると心配で老け込むかもしれませんね
(最近はお兄ちゃんを通り越しておじいちゃんな心境だと言ってましたね)
(いつもご心配かけてすみません・・・)
心を開いて伝えるということに怖れを感じてしまうけれど
怖れは勇気を持って乗り越えていかなければなりませんね
ひとつひとつの機会をしっかりと真摯に受けとめて返していきたいと思っています

プチ写真展も開催されるのですね
セレクトBOOKショップ 「百年
本がないと生きていけない私のような人間には
こんな場所は都会のオアシスのように有り難い空間です
早く足を運びたい。楽しみです
posted by seka-toki at 02:13 | 片山瞳より

2007年05月17日

プチ写真展を開催中

宣伝担当です。
吉祥寺バウスシアター」 は、3つのシアターを設備する小さなシネコンといった
感じの映画館です。
現在、『世界はときどき美しい』 は50席の 「バウスシアター2」 で公開中です。
アットホームな雰囲気が映画の世界感にぴったり。

さて、新たなお報せです。
吉祥寺でのムーブオーバーを記念して、“プチ写真展” が本日よりスタート
会場は、セレクトBOOKショップ 「百年」。
店主樽本さんの審美眼と書物への深い愛情によってセレクトされた本や
雑貨の数々が、ゆったりとした空間の中で呼吸しているような本屋さん。
6月1日には、「フォイル」 の代表である竹井正和さんを招いてトークイベントを
行うなど、一書店を超えた思考の場。


 百年 (ひゃくねん)
 OLD / NEW SELECT BOOKSHOP

 武蔵野市吉祥寺本町2-2-10 MURATAビル2F
 TEL & FAX 0422-27-6885
 ◎お店紹介│グータイム吉祥寺



この先鋭的な空間で、
映画のイメージフォトを2点、展示させていただきます。
写真家・大橋愛さんが撮り下ろした松田龍平さんの写真。
会期は、本日より25日 (金) まで。

映画をご覧になった後に、あるいは劇場へ足を運ばれる前に、
是非お立ち寄りください。
バウスシアターからは徒歩5分圏内。
レイトショー終映後からでも大丈夫。
(夜の本屋さんというのもすてきですしね)

「百年」 で新たな本との出会いが生まれることを期待しております。
posted by seka-toki at 10:20 | お知らせ