御法川です。
あなたが映画と出会うまでのこと、拝読しました。 ◎
なにかを思い出す時には、
いろんな心の働きかけが絡まっているものです。
「私は」 と語るとき、
そこには過去を反映した時間と、
未来を想像する時間が同時に横たわっている。
思い出されたことは、自分の中で 「認められた」 こと。
思い出されたことが終着点じゃなくて、
そこから心が開かれて、新たな想像へ向かう分岐点。
想像されたイメージを自ら体験していく歩みが
「生きること」 なんだろうな、きっと。
想像されたイメージを 「夢」 と呼ぶよね。
ぼくやあなたは、これからも夢を語るでしょう。
でも夢は、甘くてかわいいお菓子やオモチャじゃない。
もしぼくらが楽器の演奏者だったら、
イメージされた音を奏でるための訓練が必要だよね。
訓練しても表現できない音だと気づいて諦めるのか、
さらなる激しい訓練を課して追い求めるのか・・・。
格闘のプロはトレーニングを一日いいかげんにやると自分にバレる、
と言います。
三日いいかげんにやると対戦相手にバレる、
一週間いいかげんにやると試合の観客にバレる、
一ヶ月いいかげんにやると取り返しがつかなくなるそうです。
ぼくらのような仕事は下手をほめられちゃうこともあるから、
気をつけないとね。
ずるずるっと落ちていきます。
自分という “楽器” が美しい音色を奏でるまでには、
まだまだ厳しいレッスンが必要。
その道のりを思うと、遠い。
そろそろ新たな楽譜に挑まないとね。