お正月気分を脱して、今日から平常通り。
本格的な一年のスタートですね。
さて、ひとつご紹介を。
現在発売中の 「エスクァイア 日本版」 (08年2月号)。
巻頭特集の 「進化する、映画 × リアリティ。」 は、とても興味深い記事ばかり。
この誌面で紹介された映画を集めたイベント上映がはじまっています。
中でもお薦めなのが、『100人の子供たちが列車を待っている』。
88年にチリで製作された一時間足らずの中編ドキュメンタリー。
監督◎イグナシオ・アグエロ
出演◎アリシア・ベガ、チリの子供たち
配給◎パンドラ
1989年/チリ/カラー/58分
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ぼくの今年最初の映画は、コレに決定!
上映の機会が少ない映画です。
ぼくは16年ぶりの再見。
我ながら律儀につけている映画日記をひも解くと、
ぼくは92年3月15日に京成町屋文化センターで、この映画を観ている。
この映画は、軍圧政下にあったチリの貧しい村が舞台。
暮らしを助けるために働かなくてはいけない子供たちは、
今まで一度も映画を観たことがない! という。
そんな子供たちを集めて、映画教室を開く女性教師がいた。
映画を見せ、映画の歴史を教え、
子供たち自ら映画を創造する実践へと進む。
映画を学ぶ子供たちの姿があまりにも無邪気で、
眺めているコチラは手前勝手にやさしい気持ちに包まれてしまう。
でも、うっとりしている場合じゃないよ。
これは決してヤワな映画じゃないから。
人は 「映画」 がなくても十分に生きていけるかもしれない。
貧困にあえぐ現実の前ではなおさらだろう。
でも、「映画」 を手にできたことで、
人はどれだけの力を得られるのか!!
だれかに 「たかが映画じゃないか」 などと言われると、
お人好しに 「そうかもしれない」 と思ってみたりする。
けれど、どうして 「たかが」 なんて言えるだろう。
「たかが」 という言葉の使い方は気をつけておいた方がいい。
もし 「たかが」 なんて言ったら、「映画」 はなかっただろう。
「たかが自分の人生」 なんてモノ言いは、
自分を卑下するばかりでなく、
自分と関わるたいせつな人を侮辱しているのと同じ。
ぼくは怒るよ。
真摯な表情とは、この映画の子供たちのそれを言うのでしょう。
気をつけないと、あまりのまぶしさに目をつぶされますよ。