監視つきカンヅメ脚本書きも佳境に入って、
ほっと息をつけるのは近所のスターバックスに出かけるときだけ。
タンブラーを持参することを覚えてから、よく通っています。
コーヒーは不思議です。
ほんとうに。
コーヒーは、コーヒーを飲むということだけが全てでなくて、
コーヒーを飲みながら、きっと何かをしている。
というより、コーヒーを飲みながらする何かのために、
コーヒーという飲み物は必要なのかもしれない。
たとえば、話をするために。
うなずいたり、笑ったりするために。
ときには、誰かを待つために。
あるいは、何もしないということをするためにさえ。
今日のようにいい天気の日なら、
歩きながらタンブラーのフタを開けてしまう。
開けてしまったら、ついつい飲み口に唇を運んでしまう。
歩きながら、飲む。
飲みながら歩くぼくの肌に射す陽の光も道を歩む。
日陰から陽だまりへ。
風が吹きぬけて鼻先をすべってゆく。
日陰から陽だまりへ。
猫は陽の光が集まる場所を知りぬいている。
日陰から陽だまりへ。
春なんですね。
◆付記
『アヒルと鴨のコインロッカー』 (中村義洋監督) での演技が評価され、
第22回 高崎映画祭の最優秀助演男優賞を受賞した松田龍平殿!!
おめでとう。
心から。
松田龍平の存在は、
不毛な環境で量産される 「日本映画」 に抗って咲く強い花だ。
同映画祭が 『サッド ヴァケイション』 の石田えりさんに
最優秀主演女優賞を贈られたその見識にも深く共鳴します。
女優細胞を震わせる石田えりさんの凄みと美しさは、
もっともっと讃えられるべき貴重なお仕事だったはず。
ちなみに・・・
『世界はときどき美しい』 も同映画祭で上映されます。
「若手監督の現在 (いま)」 と題されたプログラムに組んでいただけたこと、
これからの励みにしたいと思います。